「新興国と先進国の力関係の変化」とありましたが、
これももう、かつての話しなんだと思いますよ。
例えば音楽で言えば、
メジャーとインディーズという考え方は、
そろそろ無くなって行くと僕は感じているからです。
音を作る人、デザイナー、プログラマー、
この3つと少ない投資でもはやレーベルは作れてしまいます。
これは作っている物の「質」に大きく左右されますが、
出版関係も同様でしょう。
実は僕は今、
このブログを含めて7つのサイトで、
バズ・マーケティングとASPの効果測定を
数ヶ月行っていました。
それには、
日本語のサイトもあれば英語のサイトもあります。
まったく同一のページを作り、ASPの効果測定などもしていました。
それはCPCの売り上げはもちろん、
このブログにも3つ程プログラミングが搭載さていますが、
どの国のどの町から何時何分に閲覧をしに来て、
どれくらい滞在し、どの記事を読んだかというのも、
計測していました。それは市町村や23区単位で計測が出来ます。
それらのグラフや、
データを解析する中で感じた事は、
表現や広告の未来というのは「高精度のデータリスト所有にある」
という単純なものでした。
例えばGoogleは、
時価総額で今は世界第何位なのか判りませんが、
上から数えた方が早いですよね。
Googleは、
これまでの企業と何もかもが違うと、
個人的に感じています。
それは、
何の「物質的商品」も販売していない、
つまりサーチエンジンとadsを代表とした広告の
「情報仲介」を中心に、駆け上がって来た企業だからです。
クローラーの精度は、
更に向上する筈で、そうすれば更に収益は伸びるでしょう。
adsやスポンサーサーチ、
そしてこのblog、itunesのping、
twitterやその他SNS、youtubeやUST、
あるいはBBSも。
これらすべてが、
個人の趣味趣向と広告が合体した、
バズ・マーケティング式の広告です。
情報提供をしている個々が、
広告を貼らなくても、提供しているサーバ会社は、
広告を貼っており、そこにはCPC収益が発生します。
つまり、
補助広告としての役割を果たし、
効果を上げ続け、今やそれが広告のメインになる勢いです。
僕自身、
渋谷区や港区を歩いていたり、
高速で走っていても、数年前からビルボードの
空き広告を本当によく目にするようになりましたし、
骨組み自体を解体する所まで出て来ました。
例えば渋谷駅のホームに、
新発売の缶コーヒーの広告を貼るとします。
1日の乗降客数は数十万人。
よってこのホームに1週間広告を掲載した場合、
1億円程度の費用になりますと。
かつては、
ビルボードもTVCMもそのような
「ざっくり」とした費用対効果算出をして、
代理店などはクライアントから広告費を得ていました。
例えばですが、
1週間で10万PVを越す缶コーヒーに特化した
コミュニティーかブログがあったとします。
駅のホームへ数億円の広告費を支払うのと、
後者に小額(しかし個人にとっては巨額)の広告費を支払うのと、
どちらが販売の費用対効果が高い?バズを起こしやすい?
そうゆう事にメーカー自体も
完全に気付いたのがココ数年だったと思います。
もっと言えば、広告の代理業の需要が減りました。
億や数千万円単位の広告をパブリックに打つより、
それに「関心の高い」ユーザーを多く持つ、
ブログを書いている人やPV数を持つ芸能人に、
1記事、数百万を支払って日記の中でさりげなく広告をしてもらう方が、
費用対効果も高く、しかも的確であると。
いやらしい話ですが、
例えば画家としての自分が個展をするPRの為に、
ラジオや雑誌の総合誌などに出演するよりも、
例えば芝浦界隈の年収3000万円以上の世帯が住む、
タワー型マンションの「居住者専用のネット回覧板」に
バナーを貼っていただいた方が、作品の販売効果は絶大です。
PRの為に、
出版社と仲良くするよりも、
例えば三井不動産レジデンシャルの広報部と
接点を持った方が良いなど、
つまりすべては、
情報の「流し方」なんだと思います。
最後に、
「チャンスと捉えるべきか?」についてですが、
間違いなくチャンスだと思います。
個人のリストや
趣味趣向がセグメント化されたコミュニティーを
誰もがディスクローズできる現代のネット状況は、
個人的には物凄いチャンスだと感じますし、より、
自由度の高いパフォーマンスが期待出来ると思いますよ。
ただ、
20世紀との違いは「モノ作り」での収益ではなく、
「情報収益」がビジネスの主体になる可能性が高いとすれば、
言葉です。英語を自在に使えるかどうかが鍵になって来るのは
間違いありません。
なかなか、
依頼された絵の制作に追われて、
個展も出来ませんが、次回の個展の際は、
場所は決まっているので、少しPRに力を入れ、
告知にはターゲットを絞り上げた「リスティング広告」を
使用したいと考えています。
そうやって少しづつ、個々のジャンルで、
ソーシャル・ネットワークという「道具」を
上手に利用して行けば、良いのではないかなと思います。