いよいよ師走。
冬の祭りも良いものだった。
11月の上旬から下旬にかけて、
体調がえらい事になっていた。
1ヶ月程、
右首筋の腫れと39度程度の謎の高熱に連日見舞われていた。
これは極身近な友人知人にしか詳細を話していなかった。
そもそもは10月上旬か中旬辺り。
顔を天井に向けた時に、アゴの下から右首筋にかけて、
筋が吊るような軽い違和感があった。
それからしばらく、
首を回したり筋を伸ばしたりするような動作を続けていたのだが、
違和感は徐々に増し、11月上旬。明らかに右耳の下、首筋が腫れて来た。
そして同時に発熱。
連日起床時に38度5分〜39度。
風邪かと思って風邪薬を飲むが一向に起床時の熱は引かない。
数日が過ぎ「風邪にしては喉も痛くない、鼻水も出ない」と感じ、
解熱剤だけを服用すると、あっという間に熱が下がった。
しかしまた翌朝、起床時は高熱で目を覚ます。
決まって熱は、日没から起床時にかけてが高い。
11月は非常に様々な方とお会いする事が多く、
その内数人は将来的に自分のメンターになる予感を得るような人々だった。
出会いに関して実りが多いにも関わらず体調は思わしくない。
病気知らずの自分は、こんな経験は初めてだった。
日に3度の解熱剤の服用が欠かせないという状態。
日中は高熱が下がった後の浮遊感に似た感覚が身体には常にある。
白目の充血が取れず、
大きなレンズのサングラスとハットを常に着用しての外出。
その頃に、
「これは風邪ではない」という確信のようなモノが芽生えた。
そして「自分の白血球数値を知りたい」とも思うようになった。
そう感じた翌日、
近所の診療所、そして別の総合病院にも行った。
医師に10月上旬からの右アゴ下〜右耳の下にかけての違和感、
現在は非常に張っている事。軽く左を向くだけでも痛みがあると。
そして連日の高熱に関してお話をし検温。その時も熱は38度2分。
その後採血をし、簡易測定の結果を待った。
しかし、
どの項目においても全く異常が出ない。
医師も「何故だ」というような事を口走っていた。
にも関わらず高熱は出ている。
可能性が高い部位としては腎臓、
あるいは副腎に何かが起きている可能性があると。
しかし白血球数値が正常値であるという事は、
体内で炎症を起こしている部位が見当たらないということだとも言う。
ではこの状態は何なんだと。
形として抗生物質と身体にダメージの少ない解熱剤を5日分処方された。
それと日々の検温結果を書き込む為の表。
これらを5日続け、
もし発熱が落ち着かない場合は紹介状を書き、
別の大学病院に入院および精密検査という事になった。
入院期間の程度は不明。
これはどうしたものかと、
久しぶりに途方に暮れた。
一体自分の身体に何が起きているのかと。
原因が判れば、
それを治す努力をすれば良いだけだが、
それが判らない。
検温記入から3日目、
知人に会う予定が有り、彼の元へ向った。
その際、マガジンハウスの編集部の人間が遊びに来ていた。
丁度、体調に関する話で盛り上がっていた為、
どのみち入院を避けられないのなら、その報告もせねばなるまいと、
自分の現在の体調に関し打ち明けてみた。
すると編集部の方が、
以前にあなたと非常に似た状態の人間がウチの編集部にもいましたと。
首筋のリンパが張り、高熱だけが連日続いたと。
その方は簡単に言えば「過労あるいは高ストレス」だったそうだ。
そして、
「凄い先生がいるんです。
カイロプラクティックに行かれてみたら如何でしょう。
よろしければご紹介します」と。
「是非。可能性があるものは全て試したい」という事で、
翌日、カイロプラクターの所へ。
麻布十番を抜け、東京タワーの近く。
木目調の白い空間で、ツール類もデザインに気を使っている。
症状を伝え、
検温と右首の触診。そこから恐らく、
体中の関節部位をチェックしたのではないかと思える程、綿密な検査。
それは口の中に手を入れ、口腔の筋肉やアゴの骨に至るまでだ。
そしてカイロプラクターがひと言。
「右副腎の機能不全です。間違いありません。
自己免疫力が急激に低下しています」と。
そして「今からそれを治します」と言い切った。
今からそれを治します?
それが凄く驚いた。治せるのかと。
ヒアリングに45分程度。
初診にも関わらず施術を含めてトータル3時間半を費やしていただいた。
こんな角度に足を曲げたことが無いという角度で足を固定し、
その度に「口を少し開き、アゴを右に。次に左に。そして力を入れて」など、
もの凄く細かい骨格調整をしている事は判った。そして、自分の身体がこんなに
ゴキゴキと鳴るのかというくらい体中の骨が鳴った。
施術後カイロプラクターは、
「そもそも身体全体の筋力が強く、同時に非常にしなやかな筋肉の持ち主ですが、現在、身体の前面の筋肉が非常に収縮している。急速に集中して何かを思案した後が鎖骨の上の筋肉に見られます。その為、骨格も前面に偏りがちになっている。その骨格を正常値に戻し、内分泌液の流れを元に戻しました」と。
そのような事を言っていた。
正直、施術の直後は、
身体の変化には気づかなかったが驚いたのは翌朝だ。
右首筋の張りも高熱も完全に消えていたからだ。
しかもその日から1週間以上は経過しているが、身体に何の異常もない。
本当に驚いた。病院の先生にもすぐに電話をしたが先生は、
薬が効いたと思い込んでいる。検温表の最終日である丁度5日目だったからだ。
しかし、自分自身の体感として、
これは薬に寄るものではないということは明らかだった。
この出来事は、
自分が全く知らなかった世界を知った瞬間でもあった。
そしてこうした自分の知らなかった世界との出会いが、
ここの所、とにかく頻発している。
以後、定期的にカイロプラクターの施術を受ける事にし、
様々なアドバイスをいただいている。
ただ、
「右副腎の機能が戻ったとは言え、
現状の自己免疫力は通常時より半減しています。
それを今後数週間かけて回復させます」というプログラムが組まれた。
定期的な施術はもちろん自宅でも、
教えていただいた肩を広げる独特なストレッチ。呼吸法。
背骨をひとつづつ動かす運動。高ビタミンを摂取し、
当面カフェインは摂取しないこと。これらが日課になった。
そして適度な運動をとの事だったので、以前に日課にしていた
1日10kmのウォーキングを再開した。
身体が回復した頃合いを見て、
24時間〜48時間の軽い断食をし、血流と免疫力を更に上げるという仕上げを
行う事になっている。ただしその際「タバコを辞めて下さい」という条件が
付いている。断食中の身体にタバコを吸引すると猛毒として働くと。
しかし今は逆に、
タバコを辞める事がストレスに直結しかねない為、
むしろ辞めない方が良いとの事だったが、相当量を減らした。
それにしても、
この11月12月は本当に不思議な出会いと出来事が多い。
日常的に新しい人々に会う機会は、
普通の人よりは多い気がするが、
ここ最近は「メンター」と呼べるような人物に、
立て続けに出会っている。このカイロプラクターもその1人。
自分自身の大土台に良い影響を与え、成長を与えてくれる人達。
よく「心とカラダ」と言ったような触れ込みの
本や雑誌の特集が目に付くが、自分の身を持って、
それを少し体験してしまったような出来事だった。
思考と内臓、
あるいは意思とホルモンバランス。
それらの体感は、年齢を重ねるごとに、
ダイレクトになって行くと感じる。
思考は、個性と環境によって作られ、
ポジティブな思考であれば体内も良好であり、
ネガティブな思考であれば体内も悪化する。
それらは自覚の有無を問わず、
確実に呼応していると感じる。
あるいは逆に、
体内の状態が思考に影響を及ぼすこともある。
つまり身体と思考は一体だ。
今はメンター達に、
あらゆる角度からのセルフコントロールを
かなり深いレベルからレクチャーされている。
そして、
それらの吸収や発見が、
妙に面白い。
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